GGGI

ジェンダーギャップ指数(GGGI)改善に向けて

日本BPW連合会は、ジェンダーギャップ改善に向け、世界経済フォーラムが2006年以降毎年公表しているジェンダーギャップ指数(GGGI)に注目し、2014年より関連イベントを実施すると共に、その議論から提言をまとめて関係方面に提出している。


ジェンダーギャップ指数(The Global Gender Gap Index =GGGI)とは

男女格差の度合いを示す指数で、この数値を公表している世界経済フォーラム(WEF:本部をダボスに置くNGO)は、男女格差の無い社会がより社会を発展させるとの認識から、男女格差(ジェンダーギャップ)の解消を目指して、(1)男女格差を測定する指標を設定し、(2)それぞれの格差示す数値を出してこれを基に、(3)国別に順位をつける方式を開発した。2006年以降、「ジェンダーギャップ指数(Global Gender Gap Index = GGGI)」として毎年その数値を公表してきた。

男女格差の指数(ジェンダーギャップ指数 GGGI)は、基本的には「女性÷男性」で計算され、男女の格差が無くなれば指数(スコア)は「1.000」に,格差が大きければ「0.000」に近づく。男女の格差を測定するために、政治・経済・教育・健康の4つの分野を設定し、それをさらに分野毎に、2次指標(sub-index)を設定している。政治は3、経済は5、教育は4、そして健康は2と合計14項目ある。その各々について、女性÷男性で指数を出し、その総合指数(スコア)をまとめて国の指数となる。


GGGIセミナー2023「GGGI125位(過去最低)から抜け出すために何ができるか」
開催のお知らせ

日本は毎年GGGIの順位を下げ、2023年度は146カ国中125位と、過去最低を更新し続けています。 そして、今年もG7の中で最低です。 真の男女平等社会に向けて、私たちは「順位と状況の改善のために何ができるか」について理解を深め、スピード感を増して行動しなけれ ばなりません。
GGGIの日本の現状、ご一緒に考えてみませんか。

■開催日:2023年10月21日(土)14:00~16:00
■会 場:和歌山県男女共同参画センター“りぃぶる”会議室A
  和歌山ビッグ愛9F/和歌山市手平2-1-2 《アクセス》
  +オンライン(Zoom)のハイブリッド形式
■タイトル:「GGGI125位(過去最低)から抜け出すために何ができるか」
■講 師:名取はにわ(認定NPO日本BPW連合会理事長・元内閣府男女共同参画局長)
■対 象:BPW会員・一般
■定 員:会場参加30人・オンライン参加90人
■参加費:無料(会場・オンライン共)
■お申し込み方法
◎会場参加
メールに(1)~(4)の情報を記載の上、下記アドレスへお送り下さい。
(1)お名前 (2)所属(BPW会員はクラブ名)(3)メールアドレス (4)当日連絡がつく電話番号
MAIL:gggi2023@bpw-japan.jp
◎オンライン参加
申込フォーム(peatix)からどうぞ!(QRコードもご利用いただけます)
https://bpw-de20231021.peatix.com

※案内チラシはこちら(PDF/390KB)

(2023/9/3掲出)

2023年男女格差指数 (GGGI)速報

125位/146か国 と過去最低
2023年6月20日に世界経済フォーラム(WEF)が発表した、ジェンダーギャップ指数(GGGI:The Global Gender Gap Index)で日本の男女格差は146か国中125位と過去最低となった。指数が改善した分野はなく、東アジア・太平洋地域では最下位のままで、非常に深刻な状況が続く。




■世界全体では…
右上に、今回のGGGI上位10か国を示した。上位9か国のギャップ指数は0.8以上で、男女格差が80%以上達成されていることを示している。14年間続けて1位のアイスランドは達成率91.2%である。また上位5か国中3か国は北欧の国である。そして今回新たに上位10か国入りしたのは、リトアニアとベルギーで、前回報告から格差指数をそれぞれ0.001、0.003上げた。世界全体で男女間格差の解消に要する歳月予測について、COVID-19感染症拡大の影響を受けた一昨年と昨年は、それぞれ135年、132年であった。今回は、このままの進捗状況ではその解消に131年かかると指摘し、前回報告から大きな改善は見られなかった。

■政治分野の指数が総合指数を押し上げる
今回も、各分野の順位より指数に注目すべきであろう。政治分野は、順位は1つ上がったように見えるが、指数は0.004も後退し、100点満点のテストで例えれば6点にも届かなくなってしまった。経済分野は、今回も順位・指数ともに後退した。教育分野は、今回は高等教育のデータが含まれておりやはり男女格差があることが露呈した。健康分野は、順位は上がったが、指数は前回報告と同じで改善とは言えない。
指数が改善した他国と比較すると、例えば世界1位のアイスランドは政治分野のみ指数が0.027も改善しており総合指数を0.004押し上げた。今回上位10か国入りしたリトアニアも、政治分野の指数が0.016改善し、総合指数が0.001上がり、男女格差80%以上達成国に仲間入りした。

■分野別の前年比較では…

【政治分野】
政治分野トータルの世界平均指数は0.220⇒0.221と改善しているが、日本は0.061⇒0.057と後退している。日本はワースト9で日本より下位の国は、フィジー、オマーン、ミャンマー、ナイジェリア、イラン、レバノン、バヌアツ、アフガニスタンである。世界の動向を見ると、2013年に0.187だった女性議員(下院)比率は、2022年には0.229にまで改善した。なかでも過去1年に0.232も改善し、0.387となったマルタは候補者クオータ制の法制化による成果を顕在化した。日本が指数の改善を図るには、(1)女性が総理大臣になるか、(2)より多くの女性閣僚を任命するか、(3)クオータ制を法制化するしかない。 なお、2022年には9か国で女性元首が誕生した。2022年12月31日時点で世界の人口の約27.9%にあたる21.2億人が女性元首の国に居住しており、過去最高を記録した。

【経済分野】
Linkedinのデータによると、報酬が高いSTEM(理工系)分野で働く女性割合は29.2%で、STEM分野以外の49.3%に比べて男女差が大きい。オンライン学習への機会やアクセスにも格差があり、技術リテラシー、AIとビックデータなど今後成長が見込まれるスキルを習得するコースへの受講率が男性に比べてまだ低いことが示されている。習熟度が高いスキルほど受講率の男女差は広がる一方、女性は男性よりも短期間で習得する傾向が見られた。民間企業におけるジェンダー平等に向けたDE&I(Diversity, Equity & Inclusion)への取り組みも活発化している。日本では、所得格差は0.566⇒0.577と前年より0.011縮小しているものの、同一労働での賃金格差は0.642⇒0.621と0.021拡大している。賃金格差の影響は数年を経過して反映されるので、気をゆるせない。昭和の年金制度の温存が男女別賃金格差の一因と言われており、第3号被保険者制度の早期改正を期待したい。

【教育分野】
今回は高等教育のデータが反映されたことで、教育分野トータルの指数が1.000⇒0.997、順位も1位⇒47位へ下がった。また、OECDの報告では日本のSTEM分野に進学する女子大学生比率はOECD諸国において最下位であり、日本の高等教育における女性進学率の低さが、将来、経済分野に悪影響を与えることが懸念されている。

【健康分野】
2つの要素のうち、出生時性比率は格差なく、もう一つの健康寿命は1.039で前回報告と同じであった。(この項目だけが、女性が男性より高く1.0以上である。)ただし、女性の健康寿命については、予防的見地から見直す必要があるとしている。指数には反映されていないが、参考データの「性と生殖に関する健康と権利」や性暴力対策も課題である。



プリントアウト用資料はこちら(627KB/PDF)

日本BPW連合会は、男女格差解消を目指し、GGGIデータを基にイベント開催・ブックレットを発行しており、今年も継続予定である。

過去の各種資料

■「GGGI 2021」他、GGGI関連の過去の資料についてはこちらをご覧ください。

(2023/6/27掲出)