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CSW参加者のみなさんの声
CSW参加者のみなさんの声をご紹介します。※報告書より一部抜粋
2015年12期生
■このCSWを通して一番印象に残ったのは、「ジェンダー問題と男性」という視点であった。初日に参加したデモ行進では「women’s issue is not only women’s issue. Women’s issue is men’s issue.」という看板を持つ人を見かけた。そのデモ行進の参加者は男性や若い男女が多く日本とは何かが違う!と感じた。同じような内容をConsultationでも聞き、“Men”や“Boys”という言葉の入るイベントがたくさん行われていた。「HeforShe」キャンペーンのアクションの一例として、スロベニアの“Active Father for Children”や、オーストラリアのテレビ局による“papa campaign”など、1か月間子育てをする権利を男性に与えて性別役割意識を越えようとする取り組みが紹介された。また、台湾の台北市の女性支援機関が主催したパラレルイベントでは、女性に配慮した公共サービスや街づくりの取り組みの効果と、市民生活の細かなニーズを反映させるボトムアップの行政組織体制の重要性を紹介された。2014年にはジェンダー平等局も設立されたという。そして、最後に、「まさに今、パラダイムシフトが起きていて、今こそ、このような男性を巻き込んだ活動が必要である」と「HeforShe」キャンペーンを主導するUN Womenの担当者が述べた。
■国際女性評議会などが開催したパラレルイベントでは、女性の政治参加に関する各国の現状や取り組みが紹介された。フランスや韓国など、近年クオータ制を導入した国では、女性議員の割合が急速に伸びている一方、アメリカ、中国、そして日本という世界の三大経済大国において特に女性の政治参加が低いことが問題としてあげられた。こうした現状をふまえ、日本のようにクオータ制がまだ導入されていない国で、今後この制度を導入するにはどのようなことをしていけばよいのか、登壇者の一人であるGlobal Network of Women KoreaのJun Hui Joo氏に質問した。これに対して、Joo氏からは、まずSNSなどのメディアを活用してクオータ制度を話題にし、活動のためのネットワークをつくり国内の議論を広げていくこと、そして、国連をはじめとする国際的な機関で締結された法律や取り決めを具体的な根拠として、女性の政治参加の必要性を訴えていくことが重要であるというお答えをいただいた。また、BPW International他主催で行われたイベントでは、エジプトの憲法改正委員や元駐日大使の経歴をもつMervat Tallawy氏の「私達が口を開き、主張しない限り、私達に権利は与えられない。また既にある権利も、きちんと監視していなければ、いつ取り返されるかわからない。」が印象に残りました。戦争の歴史や現実を学び、平和や人権について考える機会や教育が、今後の日本ではより一層必要であると思った。
■「テクノロジーと女性」は、「21世紀のテクノロジーは、女性を守るソリューションである」オーストラリアの女性の地位担当大臣のこの言葉で始まった「デジタルとテクノロジー時代における女性に対する暴力」のイベントは、これまでの私の常識を覆すものであつた。リベンジポルノ、電話やメールによるストーカー被害など、インターネットやスマートフォンなどテクノロジーに関連する女性に対する暴力は数多くある。オーストラリアでは、暴力被害にあった約97%の女性はDigital ViolenceやTechnological Abuse(デジタル機器等を通じて発生する暴力)の被害に遭っているそうである。オーストラリアではテクノロジーを犯罪の直接の原因と捉えず、むしろ女性への暴力に対する安全措置として積極的に活用することで女性を守るシステムが構築され、デジタル時代を生きる現代の女性が安心して生活できる社会への取り組みが行われている。
「企業と女性」のイベントではスペインの企業、Clece Groupの代表者は「社会福祉の制度、NGO、そして企業。このトライアングルで女性を支えるんです」と締めくくった。スペインやノルウェイではOrganic lawという法律のもと、ドメスティックバイオレンスの被害に遭った女性に対するサポートが推進されている。企業もその例外ではなく、1.DVへの意識向上、2.労働の活性化のふたつの理念のもと、DV被害者への対策が行われている。日本では、CSRの理念を掲げて様々に社会貢献している会社は多々あるが、本当の意味で誰かの人生を救うような活動を、NGOや社会福祉の制度と協力してできる日がくると信じたい。
■大きく印象に残っている1つは、Sexuality Education: The way forward for equality and empowermentというタイトルのフランス政府主催のイベントだった。ドイツやオーストリアからもパネリストを招き、ヨーロッパ全体の若い世代への教育を単なる教育ではなく、女性の安全を守るための手段として捉えていたことである。日本でも問題になっている女性虐待や、若い歳での望まない妊娠などは、ヨーロッパでも同様に問題視されており、それらを減らすための解決策として、若い世代への性教育を通して、正しい認識を提供すること、女性の安全を守るためにも、男性側が正しい認識を持つのと同時に、女性側も自身の体について知っていくことが必要であるということであった。参加者からLGBTへの性教育の必要性を訴える意見もあり、性教育の必要性が、男女間だけでなく、それ以外の間にも広がりを見せることで、人々の生き方に対する考え方も多様に広がっていると感じた。この広がりこそが、ジェンダー平等の達成を超えた、皆が生きやすい社会の実現のための一歩となると信じている。
それぞれが高い関心を持ってCSWへ参加しており、とくに同世代の存在を知って、この経験を自分だけのもので終わらせたくはないと切に感じた。世界の同世代にインスパイアされたように、今度は自分自身が起点となって、女性問題に関心を持ってもらえるよう、同世代をインスパイアしていかなければならない。
■今回のCSW59では女性の地位向上に関する成果や課題が活発に議論された。その中でも自分と同じくらいの年代が多く参加していることにとても衝撃を受けた。彼、彼女らは女性問題の被害者として、研究者として参加していた。被害者として「世界中の人に伝えなくてはならない」とういう意識をしっかりもっている人や、女性問題ジェンダー問題に高い問題意識を持ち自分の団体がしていることを発表している若者を間近で見て、自分との意識の違いやギャップにショックを受けた。今まで触れたことがなかった問題なので初めて聞くことが多く、うまく自分で理解できなくて違和感を感じることが何度もあり、正直周りとの大きな壁を感じ、自分がこの場にいていいのかと思うこともあった。しかし、同時に自分たちの問題意識と世界の問題意識の大きな差に危機感を持った。自分がCSWで感じていた違和感は世界的にみると「解決しなければならない問題」としてもうすでに一般的に認識されていることや研究が進んでいることに大きな衝撃を受けた。日本は世界的に先進国として位置づけられているが、女性問題やジェンダーに関する認識は遅れているのではないかと感じた。特に日本では若い世代が社会にあまり目を向けず、問題意識は低い。しかし若い世代こそ当事者であり問題と向き合っていかなければならないと思った。
■何気ない生活で男女差別があり、私達が当たり前と思っていることが本当は普通でないことがあるのだと知った。私はこのCSWの場に来るまで、何となくは考えていても、深く男女差別について考えたことはなく、もちろん男女差別についての討論も聞いたことがなかった。 しかし女性の社会的地位問題は、今回のインターンを通じて非常に大きな社会問題であるのだと認識することができた。学生時代や、女子大学ではのびのびと生活してきたが、女性の地位が低いとされている日本社会で、実際に働き現状を知りたいと思った。
そしてインターン生で立ち上げる「Quality of choice」に出来る限り参加し、女性に限らず皆が過ごしやすい社会になるために少しでも貢献していきたいと思った。
■インターンが始まってからの2週間、多くのイベントに参加し、たくさんの驚きや感動に出会いました。その中でも私が衝撃を受けたのは、日本人と比べて、世界の人々、特に若者が女性問題に対してはるかに強い関心を持っているということである。ほんの16歳の高校生くらいの年齢になると、みんなこのような女性関係のイベントに参加していくのが当たり前だと言う。日本では女性の権利のために活動をしていると言うと奇異の目で見られることが多く、「フェミニスト」という言葉もまだまだマイナスなイメージとして捉えられる印象がある。 インターンのメンバーが最終的に出した結論は、若者の生き方選択を狭めるステレオタイプにとらわれず、最終的にはだれもが、自分のため、そして人のために自由に選択できる世界を作らなければいけないということであった。これは理想論かもしれないが、私はCSWに参加したことによって、未来で起こるかもしれない問題を見つめること、現状を改善するために考え続けること、現状を変えるのは無理だと思って、「あたりまえ」に逃げないことを学んだ。同時に、先輩方が理想を求め、たゆまぬ努力を続けたことによって、社会が変わったのだということを受けて、私たちはこれから、少しでも女性や男性にとって、やさしく過ごしやすい社会を作るための努力をしていかなければならないと強く感じた。その初めの一歩として、インターンとして共に学んだメンバーと協力して、私たちが「あたりまえ」と思っていることに対し、いつも疑問を持ちながら見つめなおしていきたいと考えている。このCSWに参加して学んだことを胸に、これからも私自身が大きく変わるために一歩ずつを踏み出していきたいと思う。会議の間、私を捕えてやまなかったあの熱い感動とともに!
2011年8期生
■CSWを経て、今後どれだけの長い時間がかかっても、女性を取り巻く環境改善のために、女性である自分自身も社会的地位を上げる責任と努力を続けることを決意しました。BPWでご活躍される大先輩方を見習いながら精進したいと思っています。本経験をステップに7月にはジュネーブの国連本部で、人権、環境もしくは経済社会発展に関する問題を分析した文書を作成・出版する大学院生スタディープログラムに参加できることとなりました。是非そこでは。女性の視点なども反映されるよう配慮して作成したいと思っています。
2010年7期生
■以前、観光で国連に行ったことはあったが、はじめて自分のパスを持ち国連の建物にはいることは非常に嬉しい。多くの人が会場で話をしたり、話し合ったりしているのをみてただただ圧倒された。
ヤングの昼食会があるというので参加した。ここで私より若い19歳の学生や大学院生と出会った。流暢に英語を話せるわけでもないので、何を話そうかと考えていると、若い学生が沢山質問を投げかけて来た。「どういう目的でCSWに参加したのか?」とか、「日本では何を勉強しているの?」「CSWに参加して何を考えた?」など。日本ではここまで込み入った話を友人同士したことがないので驚いたが、相手が自分の話にきちんと受け答えしてくれたし、相手の考えも聞くことが出来て「学び合いの精神」を感じて嬉しかった。
2010年7期生
■小学校から大学まで男女が等しく学ぶ機会があるのは当然とおもい、事前に行われた内閣府の意見交換会でもどこか違和感があった。出発前、女性の地位の問題に関して考え方に若干のずれを感じ、参加することを後悔した時期もあった。しかし、全日程を終えてみると、大学の授業だけでは決して味わえない貴重な体験をすることが出来たと感謝している。
私は、インターンシップを通じて見聞した事柄について、私と同じく女性の地位問題に関して余り関心のない同世代に伝え、一緒に考えたいと思っている。
2009年6期生
■約2週間、CSWでインターンシップをさせていただき、約20のNGOのワークショップに参加し、多くの印象に残る意見に触れることができ、世の中には様々な考え方があることを学びました。つい自分の見ているものが世界のすべてのように感じてしまいがちですが、広い視野と様々な角度から物事をとらえることを大切にしていきたいと感じています。
今回のたくさんの出会いを通して、自分自身も社会に出て働く中で、どのような分野であっても誰かのために一生懸命になれる人でありたいと感じています。このインターンシップでは、女性問題に関して学ぶことはもちろんのこと、様々な文化的背景をもつ人々と交流をもち、多くのことを体験することができました。このような素晴らしい機会を与えてくださった関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
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