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内閣府・男女共同参画局に対する要望書と「山梨宣言」について

2011年3年6月4日と5日、山梨県甲府市で日本BPW連合会大会・総会を開催しました。「女性から始める復興への道」のスローガンのもとに、参加者が自由に意見を交換する分科会を設定し、それぞれのテーマを「災害と女性の・・・(1)就労、(2)リーダーシップ、(3)安全基盤」をテーマとして議論を展開しました。
この討議には、被災地の女性会員も参加し、現地の様々な状況について発言しました。これらの議論を纏め、大会終日には、「山梨宣言」を採択しました。
さらに、6月10日には、内閣府 男女共同参画局局長 岡島敦子氏に、以下のような要望書を提案しました。

災害の復興及び今後の災害対策に女性の視点を取り入れることへの要望

平成23年6月10日
内閣府 男女共同参画局 局長 岡島 敦子 様

日本BPW連合会は、特定非営利活動法人として、女性の指導力、発言力、行動力を高めることで、女性、特に働く女性の社会的環境の改善に努めて参りましたが、今般、東日本大震災という我が国の歴史にとって未曾有の災害に直面し、改めて被災地における女性の役割を見直すことの必要性を、痛感させられた次第です。

私どもは、平成23年6月4日と5日、山梨県甲府市で大会・総会を開催しました。「女性から始める復興への道」のスローガンのもとに、参加者が自由に意見を交換する分科会を設定し、それぞれのテーマを「災害と女性の・・・(1)就労、(2)リーダーシップ、(3)安全基盤」をテーマとして議論を展開しました。
この討議には、被災地の女性会員も参加し、生活支援、日常支援、支援団体への対応などに奔走してきた体験や、現地の様々な状況について発言しました。
そしてこれらの議論を纏め、最終日には、別紙にあるような山梨宣言を採択しました。

第3次男女共同参画基本計画でも、「第14分野」において「4.防災における男女共同参画の推進」が掲出されており、災害時における女性の参画は不可欠であると明記されています。

それらを踏まえて、「女性から始まる復興への道」をスローガンとして今後の復興対策への取り組み、あわせて今後の防災対策の策定にむけて、女性たちがどのようなことを求めるべきかを「山梨宣言」として採択し、その実現に向けて当面、6項目の具体策の実施を要望していくことになりました。

これらは何れも、東日本大震災での具体的な経験を元に、配慮されるべきことをまとめたものであり、これまであまりにも無視され、問題の存在すら議論されずに来たものが含まれています。

前進をめざして、女性たちの要望の一部をここに列挙し、その問題解決実現に向けて行政が動き出すことを願って、ここに要望として提出する次第です。

特定非営利活動法人日本BPW連合会
理事長 松原 敏美



山梨宣言

日本BPW連合会は、未曾有の災害をもたらした東日本大震災に鑑み、2011年6月5日の山梨大会において、「女性から始まる復興への道」をスローガンに被災地の代表を含めた議論のうえ、復興および今後の防災対策に女性の視点が活かされた策定の実現にむけ、次の提言を採択する。
  1. 災害時における、女性の就労を支援するために、保育・介護施設の早期機能回復のための予算等の必要な措置をとること。

  2. すべての避難所に、女性専用のスペース(相談、着替え、授乳、トイレ等)を配置すること、加えて、介護を必要とする障がい者、高齢者の情報を適宜把握するとともに、福祉避難所を設置すること。

  3. 災害に関する会議の委員および、避難所における管理者等の女性比率を30%以上にすること。

  4. 女性の就労意欲の回復、経済的自立を支援するため、政府の緊急雇用対策の職種に災害復旧に関する原状回復や避難所の炊き出し等の日常作業を含め、男女を問わず有償で雇用すること。

  5. 性暴力、DV被害に対処するには、女性警察官による避難所や被災地域への巡回が効果的である。そのために女性警察官の絶対的な不足を早期に解消する必要があり、2020年までに警察官に占める女性比率を30%以上にすること。

  6. 女性の視点にたった、官民学のネットワークを構築すること。

以上

(2011/7/4掲出)